紗央里ちゃんの家

紗央里ちゃんの家/矢部嵩

第13回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作品。
怖いというよりかは気味の悪い話でした。

角川ホラーは、飴村行の粘膜シリーズと先日の玩具修理者を読んだくらいなんですが、
あまり好ましくない描写をしつこくする作品が多いように見受けられます。

この作品もそうでした。

従弟の家に行き、血まみれの叔母が迎えに来ても疑問に思うだけでそのまま泊まる父親と主人公である息子。
息子は洗濯機の下にある腐りかけた指を発見し、ほかにも死体のかけらがあるのではないかと探し始めます。

私が一番嫌だったのは、家の人から隠そうと、見つけた指を思わず口に放り込むところですね。
そのあとトイレで吐くんですけど、そのまま流しちゃえばいいんですけど吐しゃ物にまみれた指を探すんですけど、
丁寧に感触や指の味まで書かれていて、気持ち悪くなりました。

全体を読んでの感想は、なんだかホラーゲームっぽいなあと。
早く逃げればいいのに、玄関から外へ出ようとすると(今は出ない方がいい気がする)などとコメントが出る感じ。
ゲームだったらそういうもんだよねと納得できるんですけど、小説だとなんだか腑に落ちない行動です。
主人公が家の中を探って死体を見つけていくのもゲームっぽい。
それにしては結末が唐突すぎるので、微妙なバッドエンドをひいた気分です。

最後の一文も、さらにバッドエンド感をあおっていました。あそこは結構好きでしたね。


色々な意味で読後感の最悪な作品です。
気になる方はカドカワkindle本セールで買うことをおすすめします。