江戸川乱歩傑作選


江戸川乱歩傑作選 (新潮文庫)

江戸川乱歩傑作選 (新潮文庫)

江戸川乱歩傑作選/江戸川乱歩

江戸川乱歩を初めて読んだかのような新鮮さ!
図書室にあった少年探偵団シリーズをむさぼるように読んでいたはずなんですけどね。

丸尾末広の漫画などは読んでいたのに、大人になってから江戸川乱歩は読んでいなかったみたいです。
明智探偵が出て来るシリーズは、明智が格好良くて古き良き探偵という感じでよいですね。こういうオーソドックスな探偵ってあまり現代ではいないのではないのでしょうか。工藤新一は結構格好いいですかね。
ちょっと抜けたり、世間とずれている探偵もそれはそれで愛すべきものですけれど、こういうすべてを悟ったような顔をして謎をポンポン解いていく探偵も大好きです。

デビュー作の二銭銅貨は、面白い暗号でしたが少しわかりづらかったですね。
ラストはデビュー作なら結末が思いつかなかったのか元勘ぐってしまいますが、どんでん返しをにおわせたかったんだと思います。
どっちにしろ少しわかりづらいかもしれませんが、以降の人間椅子や赤い部屋ではもっとわかりやすい落ちの説明をされてます。

短編集のラストは芋虫なんですけど、そのせいで本一冊読み終わったときの心持がひどいものになってしまいました。
狙ってやったんだと思います。
わずか20ページ足らずの作品ですが、物理的にも精神的にも追い込まれた人の感じが自分に乗り移って、どんよりした気持ちになりました。


面白かったです。
何度も言いますが、古典とか有名な作品は読まないとだめですね。

明日からインターネッツが使えなくなります。
早く契約しなくてはならないのですが、自分がいつまでもつのか試したい気もします。