俺、ツインテールになります。

俺、ツインテールになります。 (ガガガ文庫)

俺、ツインテールになります。 (ガガガ文庫)

俺、ツインテールになります。 水沢夢

徹頭徹尾ツインテール!!!

ツインテール好きの主人公が、異世界から来た謎の少女に腕輪を渡されて、ツインテール幼女になって戦う話です。
なんかエイリアンがツインテールの属性エネルギーを奪いに地球に侵略しにきてるらしいですよ。奪われるとツインテールにできなくなるらしいですよ。

属性エネルギー(属性力とかいてエレメーラ)は『何故か』ツインテールが一番強い設定でして、主人公もツインテール属性なら敵のボスもツインテール属性。
最後の戦いはツインテール無しでは戦えない壮絶なものでした。(今ちらっと開いた1ページにツインテールという語句が五回も登場しています)
まあ、戦いの理由とかマジどうでもよくて、作者がただツインテールについて語りたいだけに書かれた小説のような……。
序盤から、「さながら、ツインテールというパートナーの手を取り、豪華なシャンデリアに照らされたダンスフロアでで舞う姫君のようだ」というぶっ飛び描写。そこから一回も失速する事なくツインテール
圧倒的ツインテール力を前にしてただただひれ伏す事しか出来ませんでした。

作者のツインテールへの愛がひしひしと伝わって来る作品です。
なにより、ツインテールの愛を小説にして表現しようとした気持ち、ツインテールを描くための設定を考えて、なおかつツインテールじゃない人にも楽しめるような物語に昇華するまでに持ってこさせた情熱にひどく感動しました。

サブカル道(何でも斜に構えた視線で見て、批判する事がカッコいいと思ってしまう。高二病的。)に落ちた身としては、そこまでの情熱を掛けられるものがなく、なんか悲しくなってきました。
サブカル道は否定から入るんですよね。ツインテール道は全肯定ですから。羨ましい限り。