香水 ある人殺しの物語


ある人殺しの物語 香水 (文春文庫)

ある人殺しの物語 香水 (文春文庫)

香水 ある人殺しの物語/パトリック・ジュースキント池内紀 訳)


少し前に映画化されてましたよね。
てっきり香水製造を生業にしてる人が、完璧な香水をつくるために人を殺す話だと思ってました。
しかもさらにてっきりノンフィクションだと思っていたので、最初のほうから話盛りすぎと思って読んでました。
フィクションなんですね。

ドイツの作家の、30年くらいの作品です。
筋としては、匂いにとても敏感な男が生まれ、完璧なにおいを作り上げて死ぬ話なんですが、
一筋縄でいかない話運びでした。
読み終わるまでどこに向かっているのかわからなかったです。
あれ?殺人?どこ行ったのかな?みたいな。

いちいち、主人公グルヌイユと関わったどっちかというといい人が死んでしまうんですが、それがいいブラックさでした。
いちいち死因が面白いんですよね。
私はタイヤード=エスピナスが地面から出てるとされる致死液から逃れるために雪山に裸で登って死ぬところが一番好きです。

あとがきによると致死液説は当時結構有力だったらしいですね。
そういう胡散臭い科学っぽいもの、大好きです。